
圧縮負荷とは?
圧縮負荷とは、関節や筋肉、神経などの皮下組織が持続的または繰り返し圧迫されることで生じる物理的ストレスを指します。
圧縮負荷は、長時間の同じ姿勢や不適切な動作、外傷などで発生し、組織の損傷や炎症、神経の過敏化を引き起こすことがあります。
圧縮負荷による痛みのメカニズム
圧縮負荷が痛みを引き起こす主なメカニズムは以下の通りです
組織の微細損傷
持続的な圧迫により、筋膜や腱、神経などの軟部組織に微細な損傷が生じます。これが炎症反応を引き起こし、痛みの原因となります。
炎症性物質の放出
損傷した組織からは、サイトカインやケモカインなどの炎症性物質が放出され、痛覚受容体を刺激します。
神経の過敏化
炎症や損傷が続くと、神経が過敏になり、わずかな刺激でも痛みを感じやすくなります。これを「中枢性感作」と呼びます。
これらのメカニズムは最新の論文でも発表されており、圧縮負荷によって、筋膜層の血流が低下し、持続的炎症(発痛や組織の腫れ)に移行すると結論づけられています。筋膜リリースといった筋膜に対するアプローチも聞いたことがあると思います。圧縮負荷に対する手技としての筋膜リリース等は有効になる可能性があります。あおりはのスタッフも筋膜に対するアプローチの技術を持ち合わせておりますので、圧縮負荷が原因と考えられる痛みについてはターゲットを筋膜とする形になります。
臨床的な影響部位と病態例
圧迫負荷がどの部位にかかっていくかによって、痛みの部位や病名が変わります
以下の図は整体院あおりはでも多くの方が訴える症状になります。
圧縮負荷による痛みへのアプローチ方法
1.圧迫部位への受圧(減圧操作)
骨盤や椎骨の関節包内運動を改善できるようにアプローチし、神経や血管の圧迫を緩和させます
2.筋膜リリースやストレッチ
筋膜や筋肉の滑走性改善を目的にアプローチし、圧縮部位への緊張を減少させます
3.温熱療法
血流促進を目的に組織への酸素供給と老廃物除去をサポートさせます
→こちらは温める目的で入浴や温シップ等を推奨しています
4.神経の対するアプローチ
皮神経や神経の滑走を改善させる目的で坐骨神経や尺骨神経等の神経に対してアプローチします
5.生活のアドバイスと姿勢改善
長時間座っている、足を組む等の体重が偏りなどに対する姿勢や生活動作についてアドバイスさせていただきます
再発予防を目的にアドバイスとともに、自主練習もお伝えする場合があります
基本的に圧縮負荷に対する、あおりはのアプローチ方法の流れとしては
①構造の改善
②循環の改善
③神経の正常化
という3段階のアプローチが基本となります。
お身体の評価をさせて頂いた上で整形外科への受診をお願いする場合もございます。
基本的には医療と併用しながらの整体という使い方をお勧めしています。
【参考文献】
Yamashita et al."Persistent mechanical compression induces cutaneous and deep tissue hypersensitivity via hypoxia-inducible mechanisms in rat fascia"(2024)
Vertebral Compression Fractures: New Study Examines Risk Factors for Persistent Pain and Functional Decline. OrthoBuzz. 2024.
The effect of compression and combined compression-tactile stimulation on lower limb somatosensory acuity. Frontiers. 2023.
Effects of a Rehabilitation Program Combined with Pain Management That Targets Pain Perception and Activity Avoidance in Older Patients with Acute Vertebral Compression Fracture: a Randomised Controlled Trial. PMC. 2023.