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脱水は“水分不足”ではない 最新論文でわかった本当の原因と整体でできる対策

これから夏に少しずつ差し掛かります。

最近は4月でも暑いと感じて半袖になる時間がありますよね💦

暑い=熱中症や脱水というわけではない部分もありませんが、やはりこれから先の季節、熱中症や脱水が増えていきます。

訪問看護で訪問させて頂くご利用者様には毎年熱中症や脱水で体調を崩しご入院される方も数名いらっしゃいます。

もちろん高齢者に限った話ではなく、20代でも10代等も子供でも熱中症や脱水になります。

深刻な場合後遺症が残るような状況になってしまう可能性もありますので、今のうちから知識を高め、予防していきましょう。

ということで、今回のブログは【脱水】についてまとめていきます!

はじめに

 

その不調、実は“脱水”です

 

夏になると増える症状

①だるい

②頭が重い

③食欲がない

④めまい・ふらつき

⑤足がつる

 

これらはすべて、度脱水(体水分の1〜3%低下)で起こることがわかっています。

脱水および水分摂取習慣の一般認識:参加者の特徴による変動 |BMC公衆衛生 |シュプリンガー・ネイチャー・リンク

 

重要なのは、脱水は“水が足りない状態”ではなく『身体機能が破綻した状態』ということです。

脱水の本質(2025年以降の知見)

 

2025年の研究では、脱水は単なる水分不足ではなく

・血液濃縮

・電解質異常

・神経系の変調

を伴う全身障害と定義されています。

 

特に高齢者では、

・認知機能低下

・転倒リスク上昇

との関連が明確に示されています。

 

じゃあ、どれくらい水を飲めばいいのか(最新基準)

 

結論から言うと『2L飲めばOK』間違いです。

最新目安(科学的)

男性:約2.5L/日(食事含む)

女性:約2.0L/日(食事含む)

 

ただ、飲む量よりも重要なのは

『タイミングと分割』です

・起床後:500ml

・日中:こまめに分割

・運動後:電解質補給

就寝前:200〜300ml

 

注意! 一気飲みはあまり効果がありません!!

 

ちょっと脱線します。

なぜ一気飲みの効果が低いのか?

 

結論としては一気飲み=無意味ではなく、「体内に保持・利用されない水分が増える」という点で非効率です。

さらに、状況によっては逆効果にもなりえますので注意が必要です。

 

そもそも『摂取した水分がどれだけ有効に体内で利用されるか?』ということを理解しておくことが必要です。

 

①胃・腸の吸収速度には限界があります

 

水分は胃 → 小腸 → 血中の順で吸収されます。

その吸収速度は1時間あたり約600〜1000ml程度が上限と言われています。

 

一気に1L飲むと何が起きるのか↓↓

・吸収しきれない

・胃に滞留

・不快感・吐き気

結果として、水分の吸収効率が低下します。

② 血中濃度の急変 → 腎臓が排出する

 

基本的に体は「浸透圧」を一定に保とうとします。

水分を一気飲みすると・・・

・血液が急に薄まる

・抗利尿ホルモン(ADH)低下

・尿として排出

その結果、『飲んだ水の多くが数時間以内に排出』されます。

③ 電解質バランスが崩れる

 

水だけ大量に入ると、ナトリウム濃度低下、軽度の低ナトリウム状態になります。

症状としては

①だるさ

②頭痛

③めまい

が認められ、脱水と似た症状になる(重要!!)

④ 細胞レベルでの問題

 

水はただ入ればいいわけではありません。

細胞は、ナトリウム・カリウムの勾配で水を取り込みます。

水分を一気飲みすると、電解質が足りない、細胞内に水が入りにくい状態となります。

 

結果として体の中で“水分を飲んだ=細胞が潤う”ではない状態になります。

 

これら①~④の原因でパフォーマンスへの影響も起こります。

最新研究ではこのような結果が出ています↓↓

・少量頻回で水分摂取する → パフォーマンス維持加能

・一気飲み → 変動が大きい

一気飲みでの変動が大きい理由として、血流が安定しない、体温調整が乱れる為とされています。

 

理学療法士としての視点でいうと

一気飲みを行った際の自律神経系との関係も心配されます。

胃の急激な膨張、迷走神経刺激、副交感神経優位等が起こりえる可能性があります。

その結果として、眠気やだるさ、パフォーマンス低下等が出てくるリスクがあります。

 

また、呼吸への影響もあります。

胃が膨らむことにより、横隔膜が動きにくい環境となります。

その結果として胸郭が動きずらくなり呼吸が浅くなります。

 

さて脱線が長くなってしまいましたが、一気飲みから脱水に話をもどしましょう。

 

段階別の脱水の症状

 

以下に段階別の脱水の症状を列挙していきます。

 

軽度(1〜2%)

・喉の渇き

・頭痛

・集中力低下

この時点でパフォーマンス低下します。

 

中等度(3〜5%)

・めまい

・心拍数増加

・倦怠感

この日常生活に支障をきたすレベルとなります。

 

重度(5%以上)

・意識障害

・血圧低下

・痙攣

このレベルいなると、基本的に医療介入レベルです。

そもそも意識も消失している可能性が高い為救急車の要請レベルとなります。

 

専門職が判断する、脱水の評価方法(臨床レベル)

 

簡易評価(自宅)

尿の色(濃い=脱水)

体重変化(−1%以上)

皮膚ツルゴール(張り)低下

 

医療的評価(病院で確認していることがこちら)

血清浸透圧(>300で脱水)

BUN/Cr比

尿比重

 

理学療法士的評価(身体所見はこちらを診ます)

・呼吸の浅さ

・発汗異常

・筋痙攣(こむら返り)

・姿勢変化(猫背)

“自律神経評価”が本質になります。

簡単には上記の4兆候やツルゴール反応等を総合的に評価します。

 

なぜ脱水になるのか(本当の原因)

 

本質原因としては下記の4つが考えられます。

① 自律神経の乱れ

② 発汗調整機能の低下

③ 呼吸機能低下

④ 血流障害

 

つまりは、脱水=身体機能低下の結果と考えて良いという結果です。

 

最新の治療(2025年以降)

医学的アプローチ

① 経口補水(ORS

→ 水+ナトリウム+糖

 

② 点滴

→ 中等度以上

 

③ 水+塩の管理

2025年の日本高血圧学会は、水と塩のバランス管理を強く推奨しています。

 

最新治療の中でも新しい視点

 

ただの水ではなく、“水+電解質”が重要となります。

例としてはOS-1やアクエリアス等があげられます。

予防戦略(実践)

・日常ルール

喉が渇く前に飲む

カフェイン過多NG

朝の水分補給必須

・食事

水分の20%は食事から

スープ・果物活用

・環境

エアコン管理

運動時間調整

 

危険サイン(即対応)

以下があれば即受診ないし、救急車の要請ををお願いしたいレベルです。

・意識障害

・立てない

・脈が速い

・尿が出ない

 

さいごに

 

脱水対策は3層構造です。

① 水分補給(表面)

② 電解質管理(中間)

③ 自律神経・身体機能(本質)

 

とくに③を無視すると毎年脱水になります!

 

これから暑い暑い夏になります。

毎年脱水や熱中症でかなりの人数が病院に搬送され入院となります。

点滴等の治療により改善する場合は良いですが、中には後遺症等が残る場合もあります。

是非健康で1年過ごせるように注意しながら生活していきましょう!!

参考文献

Kishi et al. Hypertension Research, 2025(水・塩分管理)

Hoshi et al. PLOS ONE, 2025(認知機能と水分)

Kinoshita et al. 2025(高齢者脱水因子)

EFSA水分摂取基準(BMC Medicine)

Physiology & Behavior, 2025(水分摂取研究)